顔に降りかかる雨
女の人が大金と共に失踪する話。
ミステリーと言うよりサスペンス+ハードボイルドだと感じた。江戸川乱歩賞受賞作。
雨が降る新宿の路地裏と言った感じ。
作者の作家活動初期の作品だが、情景の表現が必要十分で、構成にも無駄がなく読みやすかった。 登場人物のどこか影がある雰囲気、不安定な精神状態が、一般社会から外れた世界に良くなじんでいた。
こちらも面白かった。
解説に「取り残された人」をテーマとしているとあり、納得。
「取り残され方」は色々あり、「何から」かも人それぞれであるが、心に蟠りを抱えたまま生きる事がリアルに書かれていた。