不滅のあなたへ
不死の主人公が様々な動物や人間になり変わり、なり変わった対象ごとで独特の体験をする。死んだ動物や人間でないとなりかわれない。また体に刺さった槍などは体から出すことができる。
「聲の形」を描いた作者であり、細かい心境を上手に表情に出させてます。基本的に、誰か(動物だったり人間だったり)が死ぬエピソードで物語が一つ完結し、新しくなりかわれる対象が増え、新しい旅先で同様に誰かが死ぬ、を繰り返す連作の形式です。
物語の主題の一つは、生きるとは何か、という問いかけではないでしょうか。
主人公は体がちぎれようが、腐ろうが死なない言わば完全な存在です。そんな存在とは対照的に主人公が旅先で会う者たちはいつも境地に立たされ理不尽な選択を迫られながら懸命に生き、そして最後は死んでしまいます。不滅の存在をそばに添えることで、未練を残し死にゆく者の物悲しさや一瞬を懸命に生きるその美しさが引き立ちます。
私はこの作品を通し、生きる事の過酷さを認めながらもそれに立ち向かうことは美しいことであり、だからせめて最期まで腐らずに生を全うしませんか、という、暗く、しかし、しなやかに強く在ろうと言うエールを感じました。
古見さんは、コミュ症です。
古見さんは、コミュ症です。(1) (少年サンデーコミックス)
- 作者: オダトモヒト
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/10/14
- メディア: Kindle版
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人と話すのが苦手な古見さんと、そのクラスメイトの学生生活を描いた作品。
古見さんは殆どしゃべりません。しかし、只野君を初め、一部のクラスメイトが良き理解者となっているため、何とか意志疎通ができています。常に緩やかな雰囲気の物語が多いです。
無口とは違い、本人が意思疎通したい、意志疎通をしなければならないと思っている場面でも、上手く行動出来ないでいます。その古見さんの様子が、はがゆかったり可愛かったり、面白かったりと、読者を楽しませてくれます。
登場人物の名前が皆、性格をそのまま表しています。例えば、古見さんならば「古見硝子(こみしょうこ)」只野君は「只野仁人(ただのひとし)」といった具合。
古見さんは類を見ない程容姿端麗だと作品では描かれていますが、人柄もおっとりしていて、友達思いです。これがもし、そこまでルックスに恵まれていない設定だと、どうなっていたのかちょっと気になります。私は、全く違う物語になると思うのですが、最終的にクラスからの人望に恵まれ、只野君と上手くやっている様な気がします。
はじめに
2017年7月
このブログでは、焦がし焼きもち&牛乳が気に行った本とか漫画とか映画を紹介します。
インターネットで文章を公開する事が初めてなので、至らない点もあると思いますが宜しくお願い致します。